28.2.11

母乳育児後の負荷

かし、母乳育児が終わると子供の状態が悪い方に傾きます。それで、母乳育児の間、発達は正常だったのに、母乳をやめて数か月後に自閉症の症状、多動的症状、学習や行動上の問題が見え始めます。悪化の方向に傾いたからです。

そこから予防接種が加わってきます。子供の免疫系が損なわれています。予防接種を受けるだけの準備がありません。その候補者ではないのです。予防接種には多くの有害な物質が含まれています。動物タンパク、抗原などを入れる準備がありません。しかし、世界では何百万人という子供たちがワクチンを打たれていますが、自閉症や学習障害になりません。また、私のクリニックに来る子供たちの中には、最近では全くワクチンを打っていない子供たちがいます。それで、ワクチンが自閉症の原因ではありません。自閉症の「原因」の一つではありません。ただ、そうなる要因のある子供たちにとっては、また一つ課せられた重荷となります。子供を自閉症に近づける要因の一つです。






そして、通常使われてきた離乳食が加わります。通常は穀類と粉ミルクを普通あげます。たとえ母乳をあげていても、粉ミルクを足すようにと言われます。

そして、高度に加工された赤ちゃん用のごはんです。これは実際非常に消化の難しいものです。その他の穀物ベースの食事は、異常細菌叢の子供には不適切です。そうして、公然と腸内毒素症ができあがります。そこから腸壁の統合性への損傷がはじまります。腸壁がザルのようになり、有毒物質、微生物、不消化の食べ物、それらがすべて血流へ流れ出し、体全体に配られます。


また、部分的に消化されただけの食べ物が血流にあるのを免疫系が感知し、「コレハ、タベモノデハナイ」「異物だ」と言って、攻撃します。食べ物の中のある成分に対してT細胞を作り始め、子供は食物不耐性と食物アレルギーを持ち始めます。毒素が来る、となると、免疫系が攻撃します。そして微生物も入ってきます。顕微鏡検査をやったことのある人、ライブ血液分析を行った人は、血液中にモノが漂っているのを見たことがあると思います。あらゆる大きさ、形のものです。腸が完全なら、血流に入っていくはずがありません。しかし、入っている。もちろん免疫系はこれに反応し、多くの反応が不適切なものとなります。この患者さんの免疫が不均衡であるため、過剰反応しやすく、アレルギー的、アトピー的、自己免疫的な方法での反応をしてしまうのです。

自閉症への道筋

典型的シナリオ

私のクリニックでの典型的シナリオはこうです。今回は腸と心理、腸と生理の両方でお話しします。つまり、腸ではじまり、全身的になる症状についてです。

診察時、子供や大人である患者さんのことを話す前に、母親のこと、あるいは祖父母のことを話します。そうすると、人々は、遺伝のことだと思います。それよりずっと重要なこと、同じぐらい重要な、出生時に親から受け継ぐものがあります。それが腸内細菌叢です。私の発見では、自閉症、識字障害、ADHD,運動障害、その他の行動および学習障害の子供は、100%について異常な腸内細菌叢をもつ母親がいます。その腸内細菌叢を出生時に子供に受け継ぎます。






現在の科学によると赤ん坊は胎内では無菌です。産道を通るとき、口から母親の腸内細菌叢がはいります。それが子供の腸内細菌叢になります。膣周辺の細菌は、大腸周辺からきています。大腸周辺にいるものは膣周辺にいて、産道にいます。また、父親の細菌叢は彼の大腸周辺にいるものと同じで、母親との接触で定期的に共有しています。それで、母親の産道にいるものが、子供が獲得するものです。母親が異常な細菌叢をもっていれば、その異常な細菌叢を子供が受け継ぎます。

新生児の免疫系は未熟です。生後20日以内に腸内細菌叢の確立が行われますが、免疫系はその影響をもろに受けます。腸内細菌叢が異常であれば、免疫系も損なわれています。よくあるものは、耳の感染症。これが次から次に起こり、グルーイヤーの診断で次々に抗生剤の投与です。そして、新生児が持つほんの少しの有益細菌叢も一掃されます。それが繰り返され、さらに損傷します。次に起こりやすい感染症は胸部感染症で、また抗生剤で治療されます。さらに腸内細菌叢が損傷され、免疫系が損傷されます。これが1歳までに起こることが常です。

通常、1歳までは母乳育児です。現在、世界ではミルク育児が多いですが、教育によりミルク育児から頑張って母乳育児にする若い女性が増えています。母親が子供に母乳をやるとき、彼女の細菌叢は異常ではあるものの、自分の細菌叢に対する抗体があります。免疫に守られています。100%ではなくても、幾分かは守られています。その防御システムを母乳で子供にあげることができます。それで、母親の異常細菌叢があるけれども、母乳育児の間は、子供には幾分かの防御があります。≫つづく

26.2.11

腸内細菌を破壊するもの



腸内細菌叢が損なわれるのは何によるのでしょうか?


・抗生剤  ・ステロイド、避妊薬ピル ・その他の薬品  ・ストレス、  ・栄養のない食事   ・感染症、  ・病気・粉ミルク育児  ・老化  ・公害  ・放射線  ・アルコール、 ・有毒化学物質  ・歯科治療

上のリストのいくつかはご経験があるでしょう。現代では疑いなく抗生剤がナンバーワン要因です。抗生剤はよい細菌叢と悪い細菌叢のどちらも殺します。疑いなく抗生剤は何億もの人々の命を救います。今日の医学では不可欠です。しかし、よい細菌叢と悪い細菌叢のどちらも殺します。

問題は、有益細菌、プロバイオテック細菌は壊れやすい方のものだということです。彼らが先に逝く。それから病原体が死に始めます。もちろん回復しますが、また微生物によって回復するまでの期間が違います。数日で回復するもの、数週間、数か月かかるものがあります。それで、病原体が入り込んで住み着くすきを与えます。住み着いてしまうと、それを追い出すのは非常に難しくなります。有益細菌が入ってきても追い出せるほどになります。

よく研究の進んでいる二つの菌属がありますが、彼らは抗生剤に非常に強く、西洋にはびこっています。一つはカンジダ属の中のイースト菌(酵母)で、あらゆる種類の抗生剤に強く、正常下では有益細菌の制御の下にありますが、有益細菌が破壊されると、全盛となり、自分たちの定着場所を確保します。もう一つはクロストリジウム菌で、100種類ほどがいて、すべて神経毒素を産生し、神経に影響します。これは腸を含めた二つの脳神経に影響するだけでなく、彼らの一種である破傷風菌という菌は、地球上のあらゆる土壌にいて、胞子で増えるので、一掃することはできません。煮沸しても冷却しても、何をしても生き残ります。胞子が発芽するのに、何年も待つことができます。

それで、健康な人間が健康な細菌叢をもっていたらどれだけ多くの強力で危険なクロストリジウムが住んでいても、腸内で有益細菌が優勢なら、支配下においています。住む場所をふやしてやりません。また有益細菌は解毒し、毒素を中和しますので、彼らの毒は害を与えません。しかし、有益細菌が抗生剤の投与によって一掃されてしまうと、クロストリジウムは抗生剤に耐性があるので、全盛となるのです。広い範囲に住み着き、増え広がるばかりではなく、彼らの毒素は中和されず、腸の裏地を通っていきます。そして血流に入り、脳に到達すると、多くの神経的精神的兆候をひきおこすのです。

抗生剤の投与による有益細菌の一掃でおこる、たった二種類の病原体菌属の過剰増殖でもこのようなことが起こります。それで、抗生剤の投与のあとは、かならずプロバイオテックのものをとり、発酵食品をとらねばなりません。しかし、あいにく、医者たちはそれをあまり知りません。患者に言いません。勧めたりもしません。単に抗生剤をあげるだけです。

ステロイド、避妊薬も腸内細菌叢を壊滅的にします。あいにく、現代女性たちが家庭を持つ前の非常に早いうちからこれをのみ、それが腸内細菌叢にかなりのダメージを与えています。ストレスやその他の薬品が長い期間続くと、非常に強い打撃です。腸内細菌叢の構成が変わり、数多くの不快な兆候へと導きます。その他、粉ミルク育児も腸内細菌叢を完全に変えてしまいます。そのため、最初に起こるのがアレルギー、アトピーの症状である湿疹やぜんそく、その他多くの症状です。水っぽい耳垢は粉ミルクの子供に共通して起こります。それから、老化。年を取るとプロバイオテックを多くとらねばなりません。また、常に発酵食品をとらねばなりません。公害、放射線、アルコール摂りすぎ、歯科治療などもそうです。歯科医があなたの歯や口に入れるものはほとんど有毒です。腸内細菌叢に毒です。それから何週間もあなたが飲み込むものは有毒となり、腸内細菌叢を殺していきます。それで、歯科医は患者さんに、治療から数週間はプロバイオテックをとり続けるように言わなければなりません。非常に重要です。≫つづく

免疫系の85%は腸壁に



全免疫系の80~85%は腸壁に位置しています。一日に何十億の好中球が腸壁を通り過ぎます。これが主要な免疫器官です。そして、腸内細菌叢と85%の免疫系が常に会話しています。絶え間なく、です。主要な免疫の均衡保持者が腸内細菌叢です。腸内細菌叢が混乱し、異常となり、不足となったら、免疫系はそこで不健康となります。ほとんどの人々にまず起こるのは、主要な免疫アームであるTh1とTh2免疫が不均衡となります。不均衡となるとこの人はアレルギーになります。適切な反応ではなく、空気中の花粉、化粧品、シャンプー、食べ物、環境的物質、などに対して免疫系は不適切な反応をするようになり、アレルギー反応をおこすようになります。 (図は講義に使われたものではありません)


こんな人に会ったことはありませんか?これまで何のアレルギーもなかったけど、突然牛乳にアレルギーになった、1か月後にマスカラにアレルギーになった。そして、洗顔剤に、香水に、ラノリンにアレルギーとなり、羊毛の服を着られなくなった。そして、その他多くのものに波及します。この問題は注意深く元をたどれば、抗生剤の連続投与などがあったはずです。あるいは他に腸内細菌叢を損傷するようなことが起こったのでしょう。

腸内細菌叢が損傷すると、免疫は均衡をなくし、環境に適切に反応できなくなります。

細菌叢がビタミンをつくる

ナターシャ先生つづき

ビタミン産生も細菌叢の機能の中で非常に重要なものです。食物を消化吸収するのみならず、彼らはあらゆる種類のビタミンを作り出しています。これらは食物から容易に取り出すことができないものです。ビタミンB群は細菌叢に作られています。私たちの腸内細菌がビタミンB群の源です。B1,B2,B3,B6,B12など、それからビオチン、その他多くの自然物質です。さきほどサリーが話していましたK2の主要な源は私たち特有の腸内細菌叢です。腸内細菌叢がよく機能し、無欠であれば、これらのビタミンを作ってくれるのです。自然がこのように作られているのです。(参考:http://es-ful.com/esheal/vm.html


ほとんどのビタミンは水溶性で体内に長くとどまりません。これらのビタミンが豊富な食事をしたりサプリをとったりしても体内に長くとどまりません。そして、それが流出して行ってしまえば、もうその瞬間ビタミン欠乏症です。またこれらのビタミンは、私たちの生存に常に必要なものです。それで、自然はどのように対処してくれているのでしょう?


完璧な解決策があります。体内に自分の工場があるのです。私たちの消化系に。そこが常に適切なたくさんの量のビタミンその他の活性物質を製造しているのです。そして、血流に常にたくさんの量を送り込んでいるのです。寝ていても起きていても、食べていても、断食していても、強制収容所にいて食べ物がなくても、体内工場がよく機能し、よく働いているなら、B12、K2、その他の栄養素を製造しているのです。


それで、この腸内細菌叢をなくすとき、我々は顔色が悪くなり、貧血になります。ビタミンB欠乏になるからです。私のクリニック、そしてほかの多くの医者の発見によると、私たちが何の貧血治療をしても、その人は顔色が悪く、検査しても貧血なのです。腸内細菌叢を回復しない限りです。腸内細菌叢こそがビタミンB群の源泉なのです。


解毒についてはさきほどお話ししました。細菌が有毒物質、発がん性物質をキレートし、排出します。そして、免疫系です。これが細菌叢の巨大な機能です。≫つづく

25.2.11

腸を統合する細菌叢




前のポストからの続き~



腸の健康と統合性



腸の健康と統合性は完全に腸内細菌叢の健康と統合性にかかっています。腸内には非常に精密な細胞である腸細胞があります。



これらの腸細胞は、陰窩の深みで常に生まれ、数日しか生きません。それからゆっくりと絨毛の頂上まで動いていくときに消化吸収の仕事をし、上へ行くほど成熟するのです。絨毛の頂点に達すると、彼らははじかれ散らされます。このようにして、腸の上皮は常に更新されその仕事をうまく片付ける能力が保証されるのです。


これを指揮しているのが有益細菌叢です。有益細菌叢がそこになければ、細胞たちは混乱し、変質し、ガン性となります。有益細菌叢が腸内にあれば、がんになることはありません。それを許さないのです。一方で、消化系のあらゆるガンは腸内細菌叢の損傷からきています。我が国第一の主要な癌である結腸癌は、腸内細菌叢の異常からきています。元をたどれば、ガンができる数年前から考えて抗生剤の連続投与があったのでしょう。あるいは腸内細菌を破壊したその他の強力な薬物や影響があったと考えます。


私たちに不可欠な腸の裏地、腸壁の話に戻りますが、この細胞再生活動は非常に活発です。休みなく、細胞が砕け散り、また新しい細胞が生まれます。この過程を統合しているのが腸の裏地、腸の細菌叢です。腸内細菌叢が損傷すると腸の裏地が悪化し、変質し、この人は食物を適切に消化吸収できなくなります。そして、部分的にしか消化されていない食物が血流に流れだし、食物アレルギーや不耐性をもつようになります。同時に毒素が血流に流れ出すこともはじまります。


適切な消化吸収は正常な細菌叢なしでは行われません。彼らがこの世に存在するあらゆる消化酵素、また、ビタミン、ミネラルを腸の裏地を通して運ぶ物質を出すのであり、彼ら良好に機能する細菌叢なしにはミネラルを吸収できません。亜鉛、マグネシウム、カルシウム、その他の必須ミネラルを吸収できません。これらのミネラルが腸の裏地を通っていくためには、運んでくれるものがなければなりません。微生物のつくるある特別な酸にキレートされ、有機的な形にして血流へと送り込まれるからです。その形をしていてはじめて体が認識し、使用するのです。しかし、市販のサプリなどの有機ミネラルをとっても、よく機能する腸の裏地がないなら、吸収されて体に使われることはないでしょう。≫ つづく

24.2.11

腸内細菌叢の役割



消化系について話すには、そこに何があるか、それがどのように消化管のめんどうをみているかを知る必要があります。第二の脳のハウスキーパーであり、免疫系の臓器であり、私たちに栄養を与え、守り、解毒するもの、それが腸内細菌叢です。

ここにいる皆さんは腸内細菌叢をごぞんじでしょう。プロバイオテックについても。スカンジナビアの科学者たちが最近事実として証明したのは、遺伝的物質でないもので、あなたの人体の全細胞の90%は、腸内細菌叢です。私たち自身なのは10%のみです。この体の殻のみであり、微生物世界を包んでいるだけです。それをこれまで無視し、10%の殻のことだけを考えてきたため、今日の悪い健康ステータスの兆候を引き起こしています。

そこで、体の主要な部分を占める腸内細菌叢の働きをみていきます。人間の消化系を取り出して、平面にしたとしたら、テニスコートになります。これは巨大な表面で、外界からのものが体内に入った時に必ず触れる部分です。「自然」は完璧な解決法をくれていて、その1ミリの隙間も開けずすべての面に分厚い微生物の層をつくっています。ウィルス、真菌、プロトゾア、その他の微生物で私たちの細菌叢はできています。そして、この分厚い細菌の帯は、腸内のプロバイオテックな微生物です。彼らは体内で非常に数多くの機能を担っています。そしてこれを単に殺菌しようとするなら、その人は死に至ります。






第一に彼らは、食物や飲料とともに体内に進入してくるあらゆるものから守っています。彼らはあらゆる種類の抗生剤を産生します。あらゆる種類の抗ウィルス剤、抗真菌剤があり、寄生虫が孵化するのを防いでいます。多くの寄生虫が食物や飲料とともに侵入するのを防ぎます。そしてさらに消化過程で、副産物としてたくさんの毒素を出します。私たちの体内にいる細菌叢は毒素物質を捕まえ、それを解毒、中和ができないとしても、体外に出すことができます。あなたの便は微生物でできています。彼らは絶え間なく増え、また、自ら数日で死にます。それで、いかなる毒素もつかまえ、死ぬまでつかまえておき、便に入って排出されます。

ここで、重金属のことをお話しします。重金属は、大きな問題で、これが原因で自閉症、ADHD,識字障害、統合失調症、慢性疲労症候群、その他数多くの慢性的な退行的症状になると説く著書もあります。政府も認めるように、海を我々は汚染したため、すべてのシーフードは水銀を含んでいる。それで、魚をあまり食べないようにアドバイスしています。しかしながら、魚を食べることを減らさなかった人々は、制限した人と比べて、概してより健康であることもわかっています。

科学でわかっているのは、我々の細菌叢が、最初で最重要のバリアとなり、水銀、鉛、アルミニウム、ヒ素、その他の有毒な重金属、発がん性物質、その他多くの毒素が体内に進入したものや、体内でつくられたものから守っているということです。「キレート」するのです。キレートという言葉は、ギリシア語のキャリアから来ていて、つかむ、カニの爪という意味があります。つまり、水銀や鉛の分子をつかみ、はさみ、そのまま排出されるのです。私が入手した科学論文では、ラットを二つのグループに分け、有機水銀を飲ませました。第一グループのラットは正常な腸内細菌をもっていました。第二グループは、強力な抗生剤を投与して細菌叢を殺菌していました。その中に有機水銀を飲ませ、解剖してあらゆる組織を調べました。

研究結果として、正常な腸内細菌叢のあったラットでは水銀の1%が血液中で発見されたのみでした。一方、有機水銀の90%以上が殺菌されたラットの血中に発見されました。

つまり、第一かつ最重要の環境からの重金属、毒素汚染、発がん性物質など、私たちが環境にもたらした毒素からの守りは腸内細菌叢であるのです。これが完全無欠で、機能良好で、健康なら、好きなだけ魚を食べてよいのです。水銀、鉛、PCB,その他多くの汚染物質から守られるのです。

腸は第二の脳






ナターシャ・キャンベル・マクブライド MD



@ワイズトラディションズ会議UK2010のレクチャーより



http://vimeo.com/10507542

今回このようにUKでウェストンAプライス財団(WAPF)の第一回会議が開かれましたことを大変うれしく思います。これは非常にすばらしい団体で、サリー・ファロン先生が来てすばらしい講義をしてくださったことを光栄に感じます。

サリーは、英雄的女性です。彼女は、アメリカという企業、食品産業、薬品産業、農業産業、畜産業すべての大企業を相手に戦っています。相手にするのに、決して小さいものたちではありません。彼女の団体は、最初は小さな集まりでしたが、今は大きくなりました。およそ12000人の会員がいます。このすべての人々はこの地球のあらゆるものを変えようとしています。

人間は、ネズミのように地上に増え広がりましたが、私たちは、消費しすぎています。破壊的な農業、破壊的な生活様式で。この星に対して課税が大きすぎ、消費しすぎています。この星のリソースへの借りは、子供や孫が返すのです。これを消費するだけでは明日はありません。それを変えようとしているのがウェストンAプライス財団でみなさんのような方たちです。ここで人類が生き残るようにしたら、この星も生き残るでしょう。今、産業や大企業、それを支える政府のおかげで、この星を破壊へ導いています。私たちの母なる星です。母を破壊したら、どこで生きていきますか?

腸心理・腸生理症候群

今日の題名は、腸心理症候群、腸生理症候群についてです。どちらもGAP症候群です。2004年に腸心理シンドロームについての本を出版しました。現在、腸生理シンドロームについて書いています。すべての身体的症状が消化管とのかかわりがあるというのがその内容です。

腸は、免疫系の85%をもっていて、主要な最重要の免疫臓器ですが、第二の脳があるともいい、この二つの脳は互いに話し合います。消化系は臓器の中で最重要の部分であり、体の基本です。

「あらゆる病は腸に始まる。」これはヒポクラテスの言葉です。

科学が発達し、研究が進めば進むほど、これが真理であったことがわかりました。そして、腸心理症候群(GAPS)の本では、消化系と脳の機能について述べました。二番目の本では、消化系とその他の臓器の関係を説いています。多くの慢性的、遺伝的症状がこの時代人々を苦しめています。

つづく

21.2.11

サリー・ファロン







栄養の伝統シリーズは、「ワイズトラディションズUK会議2010」におけるサリー・ファロンの講演をまとめたものです。

サリー・ファロンは、ウェストン・A・プライス財団の会長で、有名な著書Nourishing Traditions の著者です。



彼女と財団の提唱するウェストン・A・プライス式の食事法は、このブログでメインに紹介しているGAPS食事法と同じではありませんが、消化異常、その他の病気のない健康な方は、この方式での食事を続けることで、栄養豊かな人生、頑強な子孫を産み育てられそうです!


GAPS提唱者のナターシャ先生の講演は、この後でご紹介します。

19.2.11

妊娠・出産・育児の栄養は特別

多くの人が慢性疲労に苦しんでいます。この解決は、消化を簡単にすることです。消化が簡単になるほどエネルギーが活動に残されます。発酵させて体外で消化をすませること、よく水に浸して処理すること、ゼラチン豊富なものを食べること。それが慢性疲労の解決です。
 
第11の原理は、伝統的食事法は未来世代のために特例を設けていました。

第一に、子供を作る前から妊娠中、発達中の子供に対して、非常に栄養豊かな食事をあげていました。

第二に、スペースをあけること。これは大変すばらしい習慣です。南太平洋やアフリカでは、毎年子供を作ることは大変悪いこと、罪深いとされました。それで、あらゆる方法でスペースを空ける努力をしました。自然の避妊や、アフリカでは、子供が二歳になるまでは特別なネックレスをして、「今は妊娠ダメ」と示していました。それで夫はほかの妻と関係をもちました。

第三に、若者に正しい食事を教えました。これは現代では行っていません。特に若い女性がベジタリアンであることがかっこいいとされています。そして大豆食品と野菜、ダイエットシュガーをたべています。そのため、悲劇以上のことが起こっています。これを修正するのにこれから何年もかかるでしょう。

こちらのフィジーの女性は長い長い距離を歩き、身ごもっている子供のために特別なカニを取りに行きました。

妊娠中の女性に対する栄養はもっと強調されねばなりません。
このアメリカ美人の妹は15か月後に生まれ、やはり美人です。
しかし、顔の三等分した真ん中の部分が未発達です。狭いです。歯のパレットが狭い。母親が妊娠の間に十分な間をとらず、栄養ステータスの回復と構築がなかったのです。子供だけではなく母親の健康、家族全体の健康がかかっています。子供の感情的な問題もあります。

この兄弟は生まれた間は3年です。
また、生後栄養高密の食事をし、肝油をとり、バターを食べました。3年あけたので、母親が回復し、父親も回復したでしょうか・・・たぶん。下に生まれた子供も同じだけの愛情を得て、また上の子供の嫉妬心などもあるでしょうが、どの子どもも最適の発達が約束されねばなりません。


私たちには多くの情報リソースがあります。プライス博士は、「とにかく教えて、教えて、教えるのだ」と言われました。伝統人たちは本能とインスピレーションに従いました。私たちは、科学、知識、教育を使うのです。それで、多くの教育教材をそろえています。まず、パンフレットで、非常に大切な情報がのっています。会員になると、季刊誌をお送りします。あちらのテーブルにはその他の情報があります。私たち全部が教師になるのです。また、ジャーナルがあります。健康な赤ちゃん、心臓病のもの、これはウェブサイトでも提供しています。ウェブサイトがあり、買い物かごをつけました。ニュートレンド出版から本も出ています。このセミナーのDVDもあり、より多くの情報が入っています。5時間半ものです。「Oiling Americaアメリカオイル漬け」の本ではコレステロール神話について載せました。また、プライス博士の本もお読みください。

まとめますと、伝統的な健康食では、農業漁業畜産から、料理法、保存法まで、あらゆるものが栄養を最大限に引き出し、取り入れることができていました現代では、食品の栽培、料理法、保存法すべてで栄養は最小限しかとれなくなっています。そして、現代では健康の危機があります。その解決は一つです。妊娠からの栄養に気を付けることです。

オメガ6,3、塩

Sally fallon 2-4
http://vimeo.com/10502171/

39:44~

第8の原理:オメガ6とオメガ3脂肪酸が同量である。


こちらは、未開地の伝統食と現代食の中のオメガ6と3の割合です。現代食では、オメガ6が非常に多いのです。これは現代の植物油のとりすぎからきています。平飼いの鶏の卵はオメガ6と3がほぼ同量です。しかし、多段ケージの鶏舎飼いの卵はオメガ6が非常に高く、20:1です。天然の魚と養殖の魚もこのような違いになります。この不均衡の解決のためには、植物油をとらないこととともに、少量の亜麻仁油をサラダにつかうと、それがオメガ3を供給します。また、オーガニックの動物脂肪をとるとよいです。



第9の原理:すべての健康的伝統食で塩をとった。
海塩や岩塩、アフリカで塩のないところでは、ソディウム豊富な草を料理につかいました。酵素の活性化またタンパク質の消化のために必要です。塩からとる塩素が塩酸をつくります。

最近、あるドクターの話で、塩をまったくとらないダイエットの人には寄生虫がいるとおっしゃっていました。塩酸がつくられないからです。炭水化物の消化に必要です。塩は消化に必要です。だからこそ、塩を使うと食物がおいしくなるのです。重要な働きとして、脳の発達に必要です。授乳中の女性は塩をとるべきで、離乳食にも塩が必要です。その他、甲状腺などでも必要なのです。ほかの食品同様、真の塩を得ることは簡単ではありません。現代では、塩から大事なミネラルを抜き、アルミニウムベースの添加物が使われます。 それで、未精製の塩を使うことが重要です。セルティック海塩などにはミネラルが含まれています。

18.2.11

植物油の災難

多価不飽和脂肪の研究は多くなされています。

これは損傷した動脈です。これにより、心臓病、ガン、老化、免疫異常、脳の発達阻害がおき、特に繁殖機能と肺に悪いのです。
これらの産業は飽和脂肪を悪魔化するキャンペーンをはりました。動脈の閉塞、ガンの原因、炎症など、なんでも飽和脂肪のせいにしました。そして、これは完全に間違いです。

飽和脂肪は体に非常に重要です。食物からとらなければ、体がつくります。炭水化物から。それで低脂肪食の人は炭水化物にかじりついて飽和脂肪をつくるのです。粘膜、骨、心臓、肝臓も飽和脂肪が必要です。肺は飽和脂肪なしには機能しません。腎臓、免疫、必須脂肪酸、解毒のために必要です。

ヨーロッパでの研究で、飽和脂肪摂取が最少の国では心臓病が多く、飽和脂肪摂取が最大の国では心臓病の羅漢率が低いです








未開地の食事では、多価不飽和脂肪としてはカロリーの4%でしたが、現代食では20%以上です。これが巨大な災難をもたらしています。


これらの植物油を今度はマーガリンやショートニングなどの固形物とするために部分水添という工程を通ります。複雑な添加と漂白の工程をへて最後にピュアーな植物マーガリンができます。そして、大々的な宣伝広告をします。原料は非常に安価だからです。





液体の多価不飽和脂肪は、体のあちこちで制御できない反応をおこします。個体の多価不飽和脂肪は、体内の化学反応を阻害します。酵素やレセプターを阻害します。動物性脂肪を避けて、部分水添された(トランス)植物性脂肪をとると、結果は、生化学的混沌です。あなたの体では、動脈硬化、心臓病、ガンなどができているかもしれません。またホルモンのはたらきも阻害します。
アメリカの政府はついにトランス脂肪は悪いと言い始めました。飽和脂肪と同じぐらい悪い、というのです。実際は正反対の結果なのですが、まだ教育が必要です。スーパーの棚を見ると、バターのおいてある棚はせまく、あとは全部マーガリンやその他のトランス脂肪です。加工食品すべてにはこのトランス脂肪が含まれています。

バターの良い点ですが、牧草飼育のバターにはより大きな利点があります。ビタミンA,E,D,ミネラル、などなど。スーパーの普通のバターにも良いことが多くあります。(39:44)

植物油の危険性

第7の原理

 
伝統食に使われていた脂肪の量についてですが、様々なばらつきがあります。30%と、あまり脂肪をとらなかった文化もあり、エスキモーのように80%が脂肪であった地域もあります。

私は若いとき低血糖を患いました。血糖値が低かったのですが、その治癒は多くの脂肪をとることによるものでした。しかし、多価不飽和脂肪酸はとりませんでした。わずか4%が多価不飽和脂肪酸でした。現代食と正反対です。  

脂肪の種類について申し上げますと、飽和脂肪は室温で個体、オリーブオイルなどの単価飽和脂肪は室温で液体、冷蔵庫で個体。多価不飽和脂肪は、冷蔵庫でも液体で、現代の植物油にあたります。こちらは飽和脂肪の分子です。

・・・ここでのポイントは、飽和脂肪と単価飽和脂肪は加熱しても変わりません。害がありません。長持ちします。安定しています。多価不飽和脂肪は不安定です。空気や熱に触れると、遊離基が体に多くの損害をもたらします



下図は、加工油のフローチャートです。種子植物から油をとると、真っ黒で、匂いが強く、非常に汚いかんじです。それで、巨大産業の工場で、高温、化学物質で、漂白され、匂いをとり、出てくるものは、きれいに見える液体です。少し黄色をつけて、バターを思わせるようになっています。これには多くの遊離基がはいり、有毒です。遊離基はナイフのようなものです。体に損傷を与えます。非常に反応が激しく、体中で思わぬ反応をおこします。(栄養の伝統パート2(9))

17.2.11

大豆の大問題

大豆食品の問題


時間の関係で、大急ぎでお伝えします。大豆はマメ科です。マメ科の問題は毒素を多く含みます。大豆の問題は、これらの毒素を出すのが非常に難しいということです。そして、次のようなものが大豆の中に非常に高いレベルで含まれています。

フィチン酸(ミネラルの吸収を阻止)。プロテアーゼ(タンパク質の消化を阻害)、イソフラボン(エストロゲン様で甲状腺の問題、エンドクリン阻害)、レクチン、マンガン(赤ちゃんの粉ミルクでの大きな問題。乳児に有毒で、脳に有害。自閉症と同じ症状になる。また、粉ミルクはコレステロールが入っていない。乳児にはコレステロールが必要。)シュウ酸塩などです。


伝統文化で大豆を用いたやり方と現代の大豆製品との違いは、伝統的には発酵して少量を食べたのですが、現代では高度に加工されたものを大量にとります。特にベジタリアンはこれを大量にとります。どんなに強調してもしすぎることがありませんが、これらは偽物の食品です。工場でしか作られず、自分では作れません。よく包装され、本物のような形をしています。このような食品に似せた物質を取り入れたくありません。


アジアで大豆は必ず食べる食品という神話があります。しかし、アジアでは少量を食べるのであり、日本食の必食は魚で、中華料理の必食は豚です。


大豆を食べさせた動物の問題



多くの種類の動物で、不妊、甲状腺の病、肝臓障害がみられます。しかし、米国の大豆食品の推進者たちは、顔色一つ変えず、「人間にはこういった問題を起こさない」と言います。私は起こすことを知っています。

それでは、豆乳と真の牛乳のどちらがよいですか?真の牛乳は自然の与えた完全食で、豆乳には合成されたビタミンD2、乳化剤、高レベルのエストロゲン、その他多くの反栄養素が含まれています。
乳児用粉ミルクに関しては完全にひどい状態で、乳児はこのエストロゲンをアジアでの通常摂取量の10倍とっています。スイスの推論では、毎日4~10錠の妊娠抑制薬を飲むのと同等であるとしています。これに加えて多くの反栄養素を生後すぐの非常に壊れやすい期間に飲ませています。さらに、アルミニウムとフッ素も多く含まれています。
よい情報源として"The Whole Soy Story" という本があります。その他、私たちのウェブサイトwestonprice.orgに多くの情報源があります。(29:07)

朝食シリアルと学習障害


今日の子供たちの中に、消化異常とともに、学習障害、じっと座っていられない、集中できない子供たちが多く、これらの箱入りのシリアルを食べ続けている子供が多いのですが、これらの朝食シリアルがこの状況になんらかの関連があると思われますか?私はそう確信しています。この写真は健康食品売り場です。健康食品だからといってシリアルが健康的であるわけではありません。たぶん、オーガニックのホールグレインを使いタンパク質値が高いのでしょう。しかし、エクストルージョン過程でタンパク質を破壊し有毒にしています。

こちらはUSDA推奨残酷な朝食です。


中身は、エクスクルードされた朝食シリアルと、殺菌された無脂肪乳、フルクトース入りのオレンジジュースです。おそらく殺虫剤を使ったオレンジです。


よい朝食をとるのは非常に重要です。高脂肪、良質タンパクの朝食です。我が家では、主人が朝食を作り、私は夕食を作ります。彼はベーコンを使ってクリエーティブなものをつくります。ベーコンをフライパンにしき、パイナップルやりんごなど、フルーツを置きます。そして、スクランブルエッグには卵黄を追加します。ジャガイモ料理の残りを刻んでラードで焼きなおします。ラード大匙1で、一日のビタミンDがとれます。そして、スムージーです。ホールヨーグルト、ケフィア、ココナッツオイル、卵黄入りです。これがよい朝食です。
オートミールが好きな方は、ロールドオーツを一晩水に浸し、何か酸を入れます。リンゴ酢、ヨーグルト、レモンジュース、ホエイなど。あなたが寝ている間に、有益な菌たちがあなたのオート麦を予備消化してくれます。
ところで、今日、穀類をまったく食べられないという人々がいます。この原因には二つあります。一つ目は、子供で腸が未発達である場合、第二は、よく処理していない穀類を与えたのが早すぎたためそのまま不耐性ができたのです。穀類を食べるには、よく発達した消化器が必要で、しかも、よく処理されたものでなければなりません。
翌朝、お湯をわかし、未精製塩を加え、このオート麦をよくよく加熱し、オートミールができます。これにナッツやココナッツをトッピングします。甘いものがほしいなら、ここに天然の甘味を足します。私たちは甘いものが全然だめとは言いません。みなさんには味覚があり、それを尊重しなければなりません。否定するのではなく、道理をわきまえて使うのです。それで天然の栄養が豊富な甘味料を適量使います。メープルシロップ、はちみつ、などです。このオート麦は、水に浸して加熱したことで、すべてのミネラルが解放されていますので、脂溶性活性剤が必要です。それで、脂肪を加えます。さらに、糖が血液にまわる速度を落とすことができます。それで、血糖値の急上昇、急降下を防ぎます。それで、オートミールにはクリームかバターを入れます。私はバターを4さじ入れます。もっと多くてもよいのです。(26:03)

13.2.11

加工炭水化物からの神経毒


Sally Fallon, Part 2 つづき
現代、私たちが穀物を処理する方法は、エクストルーダ、押し出し機です。これで朝食シリアルを作ります。こちらの窓から押し出されてきますが、超高温、高圧がかけられています。コーンフレーク、チェリオ、ポップした穀物、パフした穀物が出てきます。これは大変パワフルな産業で、この押し出された穀物に関する研究結果を公表しないようにする力があります。私のところには、これで作られたシリアルに関する研究結果が2例もたらされました。

一つはシリアル会社が行ったもので、研究結果はカギのかかったキャビネットに入っていますが、ポール・ステッドという人が、"Fighting the Food Giants" (巨大食物産業との戦い)という本で明らかにしました。

そこでは、ラットを四つのグループに分け、1).普通の麦、2).ビタミンと水、3).水のみ、4).エクストルーダーで押し出し加工されたパフ麦 を与えました。ラットの生存期間は、1).一年以上、2).6週間 3).4週間、4).2週間でした。

もうひとつは、ローレン・ザーネという人の研究で、これも出版されませんでしたが、電話で話してくれました。こちらでは、3グループに1).ラットシェルRat shell, 2)コーンフレーク、 3)コーンフレークの箱 を食べさせました。

ラットの生存期間は、1)一年以上 , 3)箱を食べたラットは 2)コーンフレークを食べたラットよりも長く生きました。コーンフレークラットは、箱ラットの中の1匹めが死んだ日に全滅しました。箱ラットは、飢餓により、ゆるやかに力を失いましたが、コーンフレークのラットは、動揺し、ケージを走り回り、互いをかみつき、ひきつけをおこし、その発作中に死亡しました。解剖の結果、腸へ続く神経細胞に異常がありました。腸は第二の脳です。非常に強い神経毒なのです。栄養の伝統パート2(6)

発酵しなければ食べられないもの

第六の原理は、


種子類、穀物、マメ科、ナッツ類は多くの文化で食されました。多くの栄養素を含みますが、同時に反栄養素も含まれます。種子類には酵素抑制剤が入っています。これが消化を妨害します。フィチン酸はミネラルの吸収を妨害します。・・・

それで、これを準備段階で手を加えて栄養素を取り込みやすくしなければなりません。草や穀物を食べる動物は草食胃があり、2~4つの胃をもつ複雑な消化系です。この中には発酵のタンクがあります。反栄養素を処理し、セルロースを分解します。私たちにはこのような胃腸がありません。人間の胃には発酵タンクがありません。それで、食べる前に体外で発酵させなければなりません。伝統的文化すべてがそれを理解していました。それで、水に浸す、発酵、発芽、サワードウを作って処理しました。サワードウは発酵のプロセスです。ゴリラは人と似ていますが、大きな胴の範囲に消化系の内臓がつまっています。それで、ジャングルで葉っぱを食べて生きられます。一方人間である我々は餓死します。

種子類の適切な準備ですが、自然のファクターをまねていて、種子の保存成分を中和し、発芽させます。酵素抑止剤、フィチン酸などの成分はプラスチックのようなものででつつまれていて、種が発芽するまで保存しておき、多くの栄養が種子に使われるようにしているのです。私たちは保存料を食べたいとは思いません。

それで、伝統文化では次の四つのものを加えて種子類を準備しました。水分、温度、わずかな酸、時間です。これらは発芽に必要なものであると同時に、人間が食べる前の準備に必要なものです。

こちらは、伝統的チェロキー族のトウモロコシの準備場面です。ここでは加熱したコーンミールを使い、コーンラスクに入れ、2週間寝かせます。これがトルティーヤです。発酵したコーンミールを熱した岩に貼って作ります。あるいは、水で薄めて栄養ドリンクとして飲みます。栄養の伝統パート2(5)

12.2.11

GAPSリカバリー(サムの場合)

GAPSヘルプというMLで、ジャニスさんという方がGAPSダイエットで息子さんを改善したビデオつきのブログが紹介されました。 (上のタイトルをクリック!)

百聞は一見にしかずなので、ご紹介します!

上の三つぐらいは、去年の2月で、おばあちゃんにバレンタインのごあいさつを撮ろうとしていた時。(カモシカの服)

下のビデオは、今年の二月。サムはとてもおちついて、ママとのやりとりをおだやかにやっています。

最後に、おばあちゃん、大好きだよ。と。

ジャニスさんは、去年まではWASF(ウェストンプライス式)食事をしていて、発酵させた穀物もあげていましたが、去年の4月からグルテン除去をし、友達と遊びたがる、など、改善をみせましたが、どうやって一緒に遊ぶか、というのがよくわからない様子でした。また、その改善は定着しませんでした。

「去年10月からフルGAPSダイエットに入りました。しかし、こんな些細な食事の変化で改善を望むのは無理だと思い、12月にはWASFとグルテン除去にもどりました。それを1か月ほど続けたとき、サムの状態がこれまで以上に悪くなり、これまでで最悪の期間でした。手をひらひらさせ、手をたたき、自分のコントロールができない。ほかの子供にかみついたりしました。

それで、とうとうGAPSイントロダイエットを敢行しました。2011年1月から。現在イントロダイエットの第4ステージです。まだときどき手をたたいたり、ひらひらさせるのはやりますが、劇的に減少しました。

イントロをやる前はサムが、朝5時には起きて、歌ったりしていて、「静かにして」と言わなければなりませんでしたが、イントロを初めて二日目からは、サムの部屋はとても静かです。7時までよく眠れるようになり、じっと座っていられるようになりました。

この結果に非常に満足で、また、神様がくれた食物を食べるだけで変わったことに驚いています。」

(ジャニスさんのブログを手短にまとめました。)

11.2.11

発酵で酵素ゆたかに

サリー・ファロンの講義より

第五の原理

第五の原理は、伝統食において酵素と有益細菌のレベルが高いことについてです。
酵素には三つの基本的タイプがあり、代謝、消化、そして食物に含まれるものです。代謝酵素には1000ほどが発見されており、動き、考え、修復するといったあらゆる化学反応に酵素が必要です。代謝酵素の機能は、解毒です。健康なら厳しい断食など必要ありません。体自体が一日中クリーニングをしつづけています。消化酵素は22あり、すい臓と唾液腺 が作っています。食物酵素は、アミラーゼは炭水化物を消化しリパーゼは脂肪、プロテアーゼはタンパク質を消化するもので、食物に含まれています。これらの文化では食物を発酵させ、酵素豊かにしました。それがあなたの消化を助けるのです。だからこそ発酵食品は力とスタミナを与えるのです。体が自ら何かを作り出して消化するということをしなくてもよいからです。

酵素豊かな食物の例として、生の乳製品があります。ここでも、数多くの酵素があり、殺菌によって破壊されています。生の肉と魚、特に生で時間のたった肉、生のはちみつ、熱帯の果物。りんごやグレープフルーツは酵素はあまり豊かではありませんが、熱帯の果物は酵素ゆたかです。低温圧縮オイル(エクストラバージンオリーブオイル)、最後に乳酸発酵食品、保存のためのものですが、多くの酵素を作り出します。もっとも典型的なものはサワークラウトがあります。乳酸発酵で、ほとんどなんでも発酵できます。サラミもそうです。ヨーグルト、果物、グラブラックス、飲み物も発酵したものがよいのです。

これら発酵食品のもう一つの利点は有益細菌です。最近10年の間にパラダイムシフトがありました。突然気が付いて、人間の腸は無菌ではない、すべてを殺菌しなくてもよい、ばい菌に攻撃されているわけではない、実際微生物たちが腸の裏地としてバイオフィルムを作っていて、このため病気から防護している。免疫系の85%は、このバイオフィルムの作るものです。これらの細菌が食物を消化し、栄養の合成、ビタミンの合成、毒素からの防護、気分がよくなる化合物を作っています。この善玉菌がいなければ、私たちは死にます。

それで私たちは乳酸発酵して各種の調味たれ類をつくりますが、酵素と有益バクテリアを多く含みます。ここに作ってあるのはすべて栄養の伝統の本にあるものです。私はこれをスーパーローフードと呼びます。食事をすべて生にしなくてよいのです。料理したものにこのスーパーローフーズを添えればよいのです。そうすれば私たちに豊潤な酵素と有益バクテリアを提供してくれます。



またソフトドリンクとして乳酸発酵したものを進めています。一つは、コンブーチャ、古き良きルートビア、ジンジャービアも乳酸発酵されたソフトドリンクで、非常に健康的です。現在出回っているソフトドリンクに代わるものを、とみな必死で探しまわっています。これらのものを取り戻したいとおもっています。

栄養の伝統パート2(4)16:00

10.2.11

生乳のパワー

多くの様々な研究で生乳が非常に健康的であることがわかっています。少しだけ例をあげると、ラットの研究で生乳を与えたグループでは、よく発達がみられ、毛並みがよく、殺菌乳のラットはB6不足で毛が生えない部分がありました。B6は、殺菌で壊れます。面白いことに、骨を見ると、生乳ラットのものが長く、密度が高いのです。つまり、カルシウムが有効に使われたのです。






モルモットの研究で、骨に使われなかったカルシウムの使われ先を見ました。生乳モルモットは優れた発達があり、異常がなかった。殺菌乳モルモットは、発達が悪く、筋肉が固く、やつれている、一年以内に死亡。解剖では、カルシウムが軟組織、皮膚、関節、心臓その他の臓器に層になっていました。つまり、殺菌すると、カルシウムは同じ量ですが、体は効果的に使うことができないのです。


これもラットですが、生乳ラットは発達がよく、目が澄んでいる、毛並みにつや、そして、性格がよい。研究者に抱っこされるのが大好き。殺菌乳ラットは、発達がまちまち、毛並みが悪い、目つきが悪い、貧血である。ラクトフェリンが破壊されているので、乳の鉄分を吸収できなかったのです。バイタリティの欠如、性格が悪く、研究者を噛む。


殺菌乳から生乳に変えた親からよくきくのは、子供たちの態度行動の変化です。幸福感、学校での集中力、夜によく眠る、よく手伝う、明るくなったということです。前はそうではなかったと。

ヨーロッパの研究で、生乳は、ぜんそくとアレルギーから守る最強のファクターであるということがわかりました。ぜんそくは命を脅かす病です。最大の利益があるのは、1歳までの間に生乳をとったかどうかです。生乳では死にません。ぜんそくで死に至ります。

情報源ですが、ウェブサイトのrealmilk.comでパワーポイントの情報、生乳に反対する意見に対する回答などが得られます。UKでは生乳がブームであるとのことで、大変うれしいです。アメリカでも広告を出しています。みなさんに生乳が手に入る場所をおしえています。インターネットは大変良い情報源です。(10:51)栄養の伝統パート2(3) http://vimeo.com/10502171

8.2.11

生乳と殺菌乳

生乳には、五つの病原体防御システムがあります。
殺菌すると、これが重大に減少します。超高温殺菌にした場合、これらほとんど全部がなくなります。それが使われているのが乳児用の粉ミルクです。病原体が侵入し、なんの防御もないのです。殺菌された牛乳は問題です。生乳が言われていた以上に危険です。今日それがわかるようになりました。





食物媒介性の病気についてですが、第一は魚と魚介類、鶏肉、卵、ポーク、ビーフ、と続き、殺菌された牛乳でももっと最後の方です。それなのに、なぜこれほどまでに生乳は悪いとされるキャンペーンの対象になったのでしょうか?脅威でも問題でもないのに。すべては、「経済」と関係があり、「公衆衛生」とは関係がないのです。過去30~40年間の殺菌牛乳被害を見ると、3年前、マサチューセッツ州で殺菌乳が原因で3人が死亡。2009年欧州では殺菌されたチーズで6人死亡。しかし、こういったものは新聞の見出しになりません。

母乳には菌がないわけではありません。病原体があります。しかし、驚くべきことに、それは新生児の生涯を決定する免疫系を刺激し、形成します。母乳や生乳で育児中の赤ちゃんを殺菌された環境に置くのはよくないのです。生涯出会うことになる病原体に準備するのです。生乳を飲んでいると、その母親や動物の出会う種類の病原体に対処するものが含まれています。驚くべきシステムです。



こちらが典型的な乳タンパクであるラクトフェリンです。3次元の美しいものです。これらが病原体を殺し、栄養を運び、体内に取り入れますが、殺菌した場合、この分子が壊れてしまい、人体はこれを異物と判断します。このため、多くの人々が殺菌乳や高温殺菌乳でアレルギーや、免疫障害をおこすのです。液体牛乳の消費は毎年1%ずつ減少しています。乳が生なら、人体はこの多くの利益を取り入れます。



生乳は自発的に消化します。生乳の酵素は消化管で活性化し、成分のすべてが吸収されます。それで、生乳は赤ちゃん、老人、損傷した消化系の人、損傷した免疫系の人にとって有益なのです。人体はなんの仕事もしなくてよいのです。一方で殺菌された乳は消化が難しく、体は多くの仕事が必要で、異物と感知されたタンパク質に対処しなければなりません。

健康民族は動物性を生でも


Sally fallon part 2-1

第四の原理

これは食物を加熱するかどうかという問題です。すべての伝統的文化では加熱しました。暖をとるための熱が必要でない熱帯地方でも、です。ほとんどの場合、植物性食物を加熱しました。植物には毒性、反栄養素などがあるので、加熱によって中和するのです。概して、植物は、加熱によって栄養がより多くとれるようになっています。動物性食物に関しては、どの文化でも、生と加熱の両方で料理されました。

生の動物性食物をどこでも食べていました。生乳も含めてです。生バター、生クリーム、生チーズ、マリネした生の魚、魚介類、生カキ、タルタル、カルパッチョ、ケベ、などなどの生で食べる料理があります。すべてを生で食べる必要はありませんが、B6はここからとれます。B6は、欠乏すると多くの病にかかわります。B6は、熱に弱く、ほとんどは生の動物性食品からとりいれます。最良の食源は生の乳です。それで、生乳を毎日飲んでいれば、生肉を食べなくても大丈夫です。

生乳についてのスライドは非常に急いでお話しします。最後に参考となる情報源などを入れます。ウェストンAプライス財団は米国では生乳の第一の擁護者です。これまで生乳は危険だとか、飲むと死ぬなどと言われてきましたが、現在では、生乳は、比類なく安全かつ、病原体を殺す成分があることがわかっています。その一つは、ラクトペルオキシダーゼという酵素で、これを私たちは、涙や唾液に持っています。

また、ラクトフェリンは、多くの病原体を殺し、体内に入れる時には鉄分をよく吸収させる働きがあります。また病原体から鉄分を取り上げます。鉄を好む病原体は結核菌などです。昔は結核を患った人は生乳を飲ませて治していました。カンジダも鉄を好む菌です。これもラクトフェリンで死にます。

血液の成分も生乳に含まれています。白血球、Bリンパ球など、赤血球をのぞくすべてのものが入っています。特定脂肪、炭水化物もです。ここで強調したいのは、ホールミルクをのむことです。このすべての重要なシステムは脂肪に含まれています。

酵素は病原体を殺すのみならず、様々な働きがあります。その他、有益細菌、B12、B12を吸収させるための成分、病原体からB12を取り上げる成分があります。

5.2.11

放し飼いの卵

栄養の伝統(10)

本当に放し飼いにされた鶏の卵とそうでないスーパーの卵には非常に大きな差があります。ビタミンDは8倍、ビタミンAは2倍です。オーガニックと書いてあれば、その間です。バターも、牧草飼育のものと牛舎飼育のものとは色が違い、ときどき着色料が入っていますが、ふつうは白いのが牛舎のもの。牧草飼育バターの黄色いのはビタミンAのサインです。10から13倍のビタミンA、3倍のビタミンDがあります。また、ラードの場合、放牧のものには従来のものの12倍のビタミンDが入っています。100ユニットのビタミンDが大匙1杯に含まれています。これでビタミンD問題は解決です。また、生チーズはすばらしい完全食であり、農夫たちの第一の利益源です。これらのコレステロールと脂肪いっぱいのチーズを怖がらないでください。



脳も臓器であり、栄養が必要です。脳に栄養を与えるものは体にも栄養を与えます。赤ちゃんに特に必要なのは、卵黄とレバーです。動物性食物に含まれる特別なものは亜鉛で、脳の発達に必要です。


前半最後のスライドですが、栄養濃密な食物は果物と野菜だと政府は言います。果物と野菜は食事に使うのは素敵ですが、肉や内臓に比べて栄養濃密ではありません。葉酸、鉄、亜鉛、銅、ビタミンB群、ビタミンA、ビタミンCは、りんごやニンジンよりもレバーに多く含まれます。B6とB12は非常に重要なものです。経済が厳しくて肉をあまり食べられないなら、レバーを月に一回とれば、赤身の肉を毎日とるのと同じだけB6とB12をとることができます。果物と野菜についての私たちの観点は、よい脂肪の乗り物としてです。バター、クリーム、ラードをのせると素晴らしく栄養濃密になります。これで前半(パート1)を終わります。
パート2へつづく

トランスフォーマー

栄養の伝統(9)

私たちが強調しているのは、牧草飼育の動物です。雌牛は聖なる動物です。彼女は、ステップアップしたトランスフォーマーです。私たちでは消化できない草を食べ、ビタミンA、Kに転換してくれ、日光を取り入れてビタミンDに転換してくれ、そこから作ったバターや内臓肉として私たちは取り入れます。だから、それらを食べるとき、彼女を仰ぎ見るのです。




こちらは、放し飼いの鶏のモデルです。通常、畜産農場では鶏小屋を移動可能にしてあり、牛がいた1日後の場所に移動させます。そのため牛のタンパク質をとりいれられます。

「効率」産業的牛舎のモデルでは、「利益」が優先で、多くの牛が屋根の下でひしめいていますが、動物たちに残酷であるばかりではなく、私たちにも残酷です。産業的農業が始まり、私たちにとって最も重要な栄養素が食物から消えました。これでもオーガニックと銘打たれています。放し飼い、外に自由に出れる、と。この納屋のどこかに小さなドアでもあるのでしょうが、怖くて出られないでしょう。



4.2.11

ビタミンK2

栄養の伝統(8)

プライス博士が研究した第三の脂溶性活性物質は、彼が活性物質Xと呼んだもので、現在では動物性K2として知られています。これは動物が緑の草などの植物性K1を取り入れて作ったものです。未開のスイスの村にあったオレンジ色のバターは、非常にビタミンK2豊富であったのです。


K2の働きは、成長で、特に顔の形成です。これが不足すると、顔を三等分した真ん中の骨の形成が悪くなり、顔が細くなります。また、葉酸とカルシウムを歯や骨に送り形成すること、K2の豊富な人の唾液では虫歯になりません。これが虫歯予防です。フッ素や歯磨き粉ではありません。オランダの研究では、K2は、動脈の石灰集積と炎症を予防し、K2不足から起こる心臓病を予防し、それらすべては、これまで食べるなと言われてきた食物に含まれています。K2は、骨髄合成と、学習能力にかかわっており、正常な再生に重要です。


これらのビタミンA,D,Kは、ともに協力しており、AとDは細胞にタンパク質合成を指示し、Kは、ADの合図に従って、タンパク質を活性化します。また、分離された形ではなく食物からとるもので、肝油、その他の今日お話ししている栄養濃密な食物からとります。


ビタミンKは、動物性食物のみからとれるのではなく、植物からもとることができます。納豆は発酵にかかわる菌がK2を作ります。少しくさいので、私は次のものからとるのが好きです。ガチョウのレバーパテです。チーズは優れた食源です。脂肪のみならず発酵されています。卵黄、チキンのレバー、脂肪のついた肉、これらは動物たちが屋外で日光に当たっていたらすばらしい食源です。サワークラウトも食源です。

うつから守る栄養

栄養の伝統(7)

西洋では、伝統的に牧草を食べた畜産品から脂溶性活性物質を得ていました。バター、クリーム、チーズ、放し飼いの卵の黄身など。これは第二次世界大戦ごろまで続けられていましたし、イギリスではもっと長く子供たちに肝油をあげていました。1952年か53年ごろまで肝油をあげていたと思いますが、その頃生まれ育った人々は大変健康です。人々は肝油が健康補助食品として非常に良いことを知っていましたが、すべては抗生物質に追い出されてしまいました。製薬会社は、肝油をみんなに忘れてほしいのです。現在アメリカでは肝油を取り戻しつつありますが、人々は肝油が毒であると思っていました。


私たちは、その頃内臓肉もよく食べました。週に一回はレバーを食べるのが典型的でした。ソーセージやパテにかくして食べていました。それでまずさを克服していました。また、ラードを使って料理していました。放牧された豚のラードはビタミンDのすばらしい食源です。こちらは、インターネットに出回っているニセ看板ですが、言葉は本当で、ビタミンDは、体にうつ病から守る神経化合物を作る助けになるのです。

ビタミンDの話

栄養の伝統(6)

ビタミンD


ビタミンDの神話もあります。十分なビタミンDを得るために顔と手を日光に毎日10分あてなさい、ということです。これを今なお政府の役人がいうのを聞きました。これは完全に間違いです。ビタミンDを得るためには日光が頭上真上からあたらねばならず、この国(英国)では7月と8月の真昼間です。その時に外に出て日光にあたれば、100でも1000ユニットでもビタミンDを得られるでしょう。しかし、そのほかの季節には日光からビタミンDを取ることができません。ビタミンDを貯蔵できるのは数週間のみです。したがって、これを食物からとる必要があります。


その他のビタミンD神話ですが、ビタミンDを食物からとることはできない、と政府の役人が今日でも言っています。どの食物にビタミンDが含まれているか、言いたくないのです。なぜなら、何年もかかって悪魔化してきた食べ物類ですので。魚の肝油、魚の肝臓、キャビアはビタミンDが非常に高い値です。ある実験でわかったのは、17000ユニットのビタミンDが大匙1杯のキャビアに含まれています。魚介類、魚卵、脂っこい魚、昆虫、バター、卵黄、内臓肉、鳥の脂肪、豚の脂肪にも豊富にビタミンDが含まれています。私たちの食事にはこれらが含まれていたのですが。もちろん、この動物たちが日光にあたっていたら、です。しかし、これらの食物の悪魔化と農業の産業化により、ビタミンDは減少しました。その結果が今子供に現れてきています。私は母乳の擁護者ですが、母親はビタミンD豊富でなければなりません。そうすれば子供も十分なビタミンDを得ることができます。


ビタミンDはビタミンAと同様、身体の形成、ミネラル代謝、筋肉の緊張、に必要です。食事にビタミンDが豊富であれば筋肉を鍛えなくても筋肉ができます。自然に。健康な皮膚、インスリン産生。スカンジナビアでの研究で、赤ちゃんを二つのグループに分け、一つのグループには1歳までの間に肝油を与え、他方のグループにはタラ肝油を与えず、そのほかは何の食事のアドバイスもせずに成人しました。結果として、タラ肝油を与えたグループでは糖尿病がゼロでした。肝油で健康的なすい臓ができたのです。すい臓が多くのインスリンを出します。免疫系、神経系、細胞機能、良い気分になる化合物、エンドルフィン、自然の大麻物質、アヘン物質を体が自然に出すはずで、脳のレセプターがありますが、それはすべてビタミンDに依存します。最後に、長寿です。


総合ビタミンD、ビタミンD2について警告します。エルゴステロール(プロビタミンD2)と呼ばれるものですが、ある日、それがどうやってできるかを知りました。なぜそう呼ばれるかも。それは麦角菌に放射線をあてて作られていました。LSDの原料です。これは動物性のビタミンD3とは反対のはたらきをします。D2は、硬組織の軟化、軟組織の硬化をします。動物実験でD2は石灰症を引き起こしました。D2は、ベジタリアンの豆乳、ライスミルク、オートミルク、アーモンドミルクなどに含まれています。それでこれらの加工食品は避けたほうがよいのです。