そして食事法です。これについては時間の関係で急いでお伝えします。サリー先生がすばらしい食物の講義をしてくださいましたので、かなり急いでいけます。
おもしろいことに、この食事法を完全に個別に作り上げたのですが、その後、ウェストン・A・プライス財団に出会いました。このようなものがあるとは知りませんでした。私の本が出て数年たってから財団とサリーに出会いました。そして、私たちの食事法にいかに共通点が多いかに驚いたのです。
偏食:
食事法の前にこれについて知らねばなりません。食事法について話し始めると、親たちが手を挙げて、「あっ、だめです。これを息子は食べません。」「強要できません。」と言います。これらの患者のほとんど、大人や兄弟も、よく偏食していることがわかります。これが最初のGAPSの兆候です。
兄弟も同じ親から同じ細菌叢をもらっています。しかし、違う体をもち、違う生活をしていますので、病気のある兄弟と同じ症状は出していません。しかし通常、軽度ではあれ、消化系の問題があります。少し多動であったり、ぼーっとしたりすることはあるかもしれませんが、社会性スキルは少しあり、ぜんそくやアレルギーがあるかもしれません。同じ親から同じ細菌叢をもらいましたので、彼らも治療が必要なのです。家族全員です。親もGAPSなのですから。腸生理症候群がある場合が多いです。精神面での機能は健全であっても、です。
最初の兆候が偏食です。この子たちは、決して、いたずらや反抗で偏食するのではありません。生理的原因があります。彼らは、体に良くないものを食べる欲求と依存症があります。悪の連鎖の罠にかかっているのです。カンジダ、クロストリジウム、プロテウス菌、溶連菌、その他の病原体が腸内で異常発生していて、これらの菌が好む食べ物があります。これらは普通、でんぷん質、加工炭水化物です。これらのごちそうをもらうと、彼らは毒素を出します。その毒素の一つは、エンドルフィン構造のあるものです。血流から脳へ行くと、「もっとほしい」と信号を出します。
そのほかでは、初めて離乳食を始める時、4~5か月ごろですが、赤ちゃんは、「食べると気分悪くなる」ということを知ります。おなかが痛い、関節が痛い、体が痛い。頭が痛い。となります。もちろん赤ちゃんはそれが言えません。しかし、食べるのをいやがるようになります。そこから成長障害がはじまります。現在、多くの赤ちゃんが成長障害で、数も増加しています。固形物を拒否し、食べられないのです。多くは病院に来て、血管から入れねばなりません。体重が増えないからです。
この理由は、GAPSの赤ちゃんで、異常細菌叢があるからです。固形物を食べると気分が悪い、と知っているからです。しかし、拒否しない子供たちもいて、固形物はいやだけど、例のもっとほしくなる食べ物は食べられる、と、悪の連鎖にはまります。
それで、彼らはその連鎖を成立させる食べ物をほしがります。ふつう、クラッカー、朝食シリアル、パン、小麦粉、砂糖、甘いヨーグルト、バナナなどです。それから、パスタです。何かを食べてもらおうと思ったら、親がケチャップを付けてあげます。世界中で、特に症状がない子供たちでもそういった偏食をしています。
学習障害のある子供の90%に偏食があり、甘い炭水化物に限っており、それは生理的理由があり、私の本でも1章を割いてこのことを述べています。どのようにしてこの悪の連鎖を断つか、です。子供たちは自分だけではそれを打破することができません。あなたの助けが必要です。集中した助けです。そして、これを正そうとするとき、あらゆる段階で拒否してくるでしょう。薬物中毒者のように。薬物中毒者の治療は非常に楽しくないプロセスです。あらゆる段階であなたに攻撃するでしょう。その打破には厳格な構造をつくり、それにしたがってやります。
ある来院した男の子は飢餓状態のエチオピアの子供のように見えました。非常に細い脚と、大きく前につき出たおなかです。彼は3歳と少しだったのですが、生後6か月から、あるメーカーのクリームクラッカーのみで生きてきました。他のものは何も受け付けないのです。親は栄養士にみてもらうと、「食べているのであれば、それをやったらどうですか」とだけ言いました。
彼はGAPSを初めて数か月後には、肉、魚、野菜、など何でもよく食べるようになりました。だから、この悪の連鎖は断つことができますが、構造的なやり方が必要です。