絨毛の図
こちらが絨毛の図です。この長い指が絨毛です。これを覆っているのが腸細胞です。この細胞が消化を完成させます。食べ物の成分の分解をし、吸収します。この腸細胞は隣同士、互いに固く接着しあっています。非常にきつく接着しています。そこではゾヌリンという特別なタンパク質がノリのようになり、完全に密着しています。栄養素が腸の裏地を通る唯一の道は、腸細胞に取り込まれて、調べられ、消化分解され、もう一方に通していき血流へと行く方法です。しかし、GAPS患者さんの場合、このきついはずの接着面がはずれています。細菌や微生物がこのゾヌリンを溶かす毒素を出して、接着をはずすのです。そしてきつい接着がほどけ、多くのものが腸壁を通ってしまう、それが腸漏れ(リーキーガット)です。 (参考:日本語の「腸漏れ」ではインターネットサーチしてもさほどかかってきませんが、英語でleaky gut をサーチすると、多くのサイトや画像が検索できますので、お試しください。)
腸細胞の図 (右図)
腸細胞の拡大図 (左図)
たしかに、消化系の調子が悪い人々は多くいます。しかし中には、深刻な異常のある人もいて、クリニックに来て第一声が自閉症のことではなく、消化異常について話し始めるのです。また、少数ですが、消化系の問題を感じたことはないという人もいます。便は大丈夫ですし、ゲップもしないし、腹痛もない、と。なぜなら、消化系は補われているのです。しかし、食事療法にのせると、学習、行動、その他多くの症状がなくなっていくのです。つまり、その人にとっても消化系の異常があったという証拠です。たとえ、その人が深刻な消化異常に苦しんでいなかったとしても、です。これは軽度の障害の場合によくあります。軽度の識字障害や運動障害です。何の問題もないと思っている人々を食事療法にのせるのは難しいのですが、いったん乗せると、様々な関連していた症状がなくなっていきます。