2.3.11

肝臓への打撃


腸壁が損傷しているとどうなるのでしょうか?

腸壁が有益細菌に守られておらず、また、病原体微生物に毒素攻撃されているため、その統合性が退化しています。腸細胞が退化し、きつい接着面が開いて、部分消化の食物を通してしまい、それが食物アレルギーや、食物不耐性をおこし、損傷した腸は毒素や微生物を血流へながし、体全体に毒素がまわり、免疫系は自己免疫を増します。

血流へ食物などからとりいれたものが流れ出すのですが、それが最初に行きつくのは、肝臓です。水溶性の栄養・毒素 と少しの脂肪の道のり、脂溶性の栄養・毒素の道のりがありますが、水溶性の方は、まず肝臓へ行き、本来なら肝臓がうまく解毒し、栄養を使っていろいろな物質を作り出します。すばらしい働きですが、まだ肝臓のことは完全にはわかっていません。肝臓は非常に複雑で驚くべき臓器です。そして、肝臓で集められた血液はすべて右の心臓にいき、心臓は、それを直接肺へと送り込みます。つまり、肺は第二の解毒臓器です。それが水溶性栄養・毒素の通る道です。

では、脂溶性栄養・毒素の通る道はどうでしょうか?それは脂肪の小塊として吸収されますが、直接血流へ行かず、リンパへ行きます。リンパは集めた脂質をリンパ管を通して直接右の心臓へ運びます。肝臓は通りません。それで、脂溶性栄養素・毒素を解毒する第一の臓器は肺です。それで、肺は、脂溶性の毒素が最初にあたる部分です。

それでは、肝臓で何が起こるかについてみていきます。GAPS症状のある人の場合です。腸から腸壁を通して毒素が川のように血流へと流れ出します。毒素、不消化の食物、微生物などが第一の港である肝臓へと行きます。肝臓はもちろん、それほど多くのものに対処できません。それだけのものを処理するようにできていません。それで、腸がダメージを受けたら、かなり早い段階で肝臓はブロックされます。肝臓で交通渋滞です。あらゆる種類の毒素が次々に入ってきて対処できないのです。これも、あれも、流れてくる、対処できない、それで、たくさんの物質が対処できず、対処できないまま肝臓を通っていかざるを得ません。環境からの毒素には、重金属、フェノール、ペトロケミカル、接着剤、農業関連の農薬、パーソナルケア製品、洗剤、可逆剤などなどがありますが、これらのものは、皮膚から入ります。皮膚にモイスチャライジングクリームを塗り、デオドラント、染髪、マスカラ、シャンプー、リンス・・・これら化学製品で、皮膚や頭皮や口などに使うものは、化学物質が入っていて、それが数秒以内には血流に入ります。最初の港はやはり肝臓です。肝臓は腸からの毒素のみならず、そういった環境からの毒素も対処しなければなりません。




人生ずっと沢山の化粧品を使ってきた人でも、腸内細菌叢が損傷した途端、もうマスカラは使えなくなります。突然マスカラにアレルギーとなるのです。それか、その他のものに。


また、体自身の代謝も対処できなくなります。神経伝達物質というものがあります。これは、脳神経同士の伝達の際に必要なのですが、その多くの役割を果たし終えれば、肝臓へ送られ、分解され、リサイクルされます。しかし、肝臓がブロックされてしまうと、それが未分解なまま、体のあちこちで見つかります。それがたくさんある人、少しある人があり、分子形成が変わってしまった物質などもあります。もちろん、これが神経系に問題を起こします。精神異常、神経の異常、心理的問題、そういったあらゆる問題となります。このように、腸が病むと、肝臓機能が病みます。つまり、腸内細菌叢が異常だと、肝臓もブロックされているということです。≫つづく