自閉症に有効な食事療法であるGAPS(腸心理症候群)栄養療法、その他、関連する内容の翻訳資料をご提供します。自閉症の生化学的介入にご関心のある方は、ご参考になさってください。すべて翻訳ですので、質問や詳細は、それぞれの著者、講演者、ウェブサイトををご参照ください。
24.3.11
GAPS症例
時間の関係で、私のクリニックでの症例(回復例)を急いでお伝えします。
男の子で、2歳にして、セリアック病、1型糖尿病、自閉症がありました。
・生後15か月でインスリン注射。自閉症傾向が18か月から見えました。慢性的に便秘、偏食、栄養不良、青白い、湿疹、アレルギー、睡眠障害、トイレトレーニングできない、セリアック病診断がありました。
・3.5歳でGAPSプログラム開始。
サプリと解毒
サプリメント補給
サプリメントも、重要な部分を占めます。しかし私はサプリを多くとることについてはあまり勧めません。食品からとり、ピルからとらないようにと言っています。これが私の患者にあげるミニマムなリストです。三つありますが、大体は食品と同じです。
22.3.11
21.3.11
20.3.11
GAPSの避けるべき食物
18.3.11
栄養不足と偏食
そして食事法です。これについては時間の関係で急いでお伝えします。サリー先生がすばらしい食物の講義をしてくださいましたので、かなり急いでいけます。
おもしろいことに、この食事法を完全に個別に作り上げたのですが、その後、ウェストン・A・プライス財団に出会いました。このようなものがあるとは知りませんでした。私の本が出て数年たってから財団とサリーに出会いました。そして、私たちの食事法にいかに共通点が多いかに驚いたのです。
偏食:
食事法の前にこれについて知らねばなりません。食事法について話し始めると、親たちが手を挙げて、「あっ、だめです。これを息子は食べません。」「強要できません。」と言います。これらの患者のほとんど、大人や兄弟も、よく偏食していることがわかります。これが最初のGAPSの兆候です。
15.3.11
GAPSプロトコルをはじめる
それではどのようにして患者たちを治療するかについてです。それがGAPS栄養プロトコルです。これらが消化系の障害だからです。
消化系は長いチューブです。そのチューブに起こることがその人の健康に直接的に影響します。従って、食事が第一の治療です。それが最も重要であり、コーナーストーンです。「食事を変えずにこの療法ができませんか?」と聞く人がいます。「サプリメントだけでいかがでしょう?」とも言われます。簡単な答えはありません。この世で、なんでもよいことは、行うことが難しいのです。それで、ウェブサイトを作りました。
てんかんをGAPSで見ると
子供のてんかん
・20歳以下の人口の1%
・精神的症状のある子供の50%
・原因がわからないものが70%
精神科の医師たちはその原因についてあまり興味がないようです。疑問に思わない、真剣に研究しない、ただ薬をやる。抗てんかん剤です。こちらの薬が効かなければ、そちらの薬はどうですか、新しいものがありますから試しませんか・・・かわいそうな子供はてんかん薬のカクテル漬けです。それはすべて子供の脳機能を落とします。それでますます学習ができません。薬をやる前は学習障害がなかったかもしれません。問題行動もなかったかもしれませんが、1回の発作がおこり、薬物投与が始まったら、学習できない、認知ができない、それもそのはず、例の薬物カクテルのせいで脳機能が落ちたのです。
大部分のケースで、てんかんは腸から来る毒素が原因です。したがって、これらの子供の治療の中心は腸でなければなりません。
てんかんについて私のクリニックでの体験から申します。毒素のレベルが脳で非常に高くなると、脳が大きな電気を発してそれを一掃しようとします。つまり掃除なのです。そのため、てんかん発作のあと、その人の思考が明快になります。また、異常をきたしていた症状が消失します。毒素がまた増加してくると、またそれが起こります。非常に嫌な形での安全弁ですが、そうなのです。腸をきれいにして毒素の元をたてばよいのです。この毒素が消化系からきててんかんを引き起こすからです。その毒素源をなくせば、通常てんかんも消失します。≫つづく
5.3.11
障害?性格?超軽度からの心理的症状
腸生理症候群では、体の様々な臓器、器官が攻撃されるというお話をしました。それは腸壁が損傷しており、また腸に異常細菌叢があるからです。このようにして流れ出る毒素がある特別なバリアーに到達します。これが血液脳関門です。ここを超えると、脳、神経系に流入します。そこから腸心理症候群になります。これについてはすでに本を出しました。
血液脳関門は非常に選別精度の高いバリアーです。あるものだけを通し、残りは通さないのです。この細胞構造は腸の細胞構造と似ています。腸細胞に似た細胞でできていて、ここでも、細胞同士が非常にきつく密着しています。やはり、ゾヌリンという特別なタンパク質で接着されています。異常細菌叢が産生する毒素でこの接着剤は溶かされるので、血液脳関門でも、同じことが起こり、その関門を開けてしまいます。微生物の毒と部分消化のタンパク質などが関門を越えて脳へ入ります。そこから脳機能に障害をきたし、学習、社会スキル、認知などに障害の兆候が表れます。また、てんかん発作にもつながります。
そこから腸心理症候群がはじまります。症状としては、自閉症、ADHD/ADD,識字障害、運動障害、学習、行動、社会性の障害などです。そして、これらの症状のある子供たちの80%は、ほんのちょっとずつの異常しかないため、どの分類にもはいらず、医者は、「心配ない」と言ったり、「経過観察」したりして、診察を繰り返し、貴重な価値ある時間が奪われ、無駄な時間だけが流れます。子供は、すぐに、緊急に助けなければなりません。そんな子供は診断されることなく大きくなります。正しく治療しなければ、症状はなくなりません。
彼らはGAPSの大人になります。薬物依存は彼らがよく選ぶ道です。二つの理由があり一つは肉体的なものです。彼らの脳は、ある栄養、物質をほしがります。本当は、体に入れてよいものではありません。彼らは悪の連鎖の中にいて、自分を害するものをもっとほしがる、異常細菌叢をほしがる、という生理学的なものがあります。
もう一つは、心理的なものです。彼らは学校など通いながら子供から十代へと成長するのですが、つたない社会スキル、友達をつくることができない、社会に属することができない、友達にバカ扱いされる、一緒に遊びたくない、と言われる、何をしても友達に勝てない、それで、自尊心がかなり傷つけられています。十代になると、とにかく社会に入るためなら何でもすると思うようになる。誘われさえしたら、求められさえしたら。薬物は、そのうちの一つの道です。
これらの子供たちは、レクレーショナルドラッグには、違った反応を示します。みなさんご存じのとおり、英国政府は以前、大麻を危険が少ないとし、危険性の低い薬物だとしたため、この国でよく出回るようになりました。一年後、精神科の医師たちが警鐘を鳴らし始めました。精神異常の様相を訴える青年たちが激増し、統合失調症の診断を受けるようになりました。1回の大麻使用の後からです。パーティに行くと、ちょっと大麻を使ったりしますが、みな統合失調症になるわけではありません。しかし、GAPSの十代はかかりやすいのです。彼らは少量の大麻使用1回で統合失調症になってしまいます。
うつも、疑いなく、GAPS症状です。これらは消化系の異常なのです。精神科の医師はそれを知りたくないのです。現代精神医学の父フィリップ・ピネルは、1800年代に、その長い輝かしい医業ののち、「精神異常は腹ではじまる。損傷した腹からである」と結論づけました。それが彼の医療人生の結論です。現代精神医学ではそれを生徒に教えず、現代の精神科医はそれを知りません。もう知りたくないでしょう。症状を抑えるだけの薬をたくさん使っていますから。強迫神経症、躁鬱病、それらの王である統合失調症、これが大人のGAPSです。すべて消化異常です。
私のクリニックではGAPSプロトコルで治療しますが、かなりよく効いています。精神科の薬に長い間頼っているほど、治すのは困難になります。一回だけ異常のあった青年なら、かなり治療効果が高いです。治せます。私の夢は、あるセンターをつくり、第1回目の精神病的エピソードのあった青年を治療するのです。薬物治療に入る前にGAPS栄養プロトコルに入れます。そこに入れて、栄養療法を行い、体をきれいにし、統合失調症や躁うつ病に一生苦しまなくてよいようにします。うつや、強迫神経症もそうです。≫
3.3.11
腸から全身に広がる症状
腸生理症候群ですが、生理とは体のことで、神経系を除くすべての臓器です。神経系は腸心理症候群に入ります。それで、腸から血流を通してくる毒素の排出に際して、次のような症状をきたすようになります。
肺から毒素を排出するために、ぜんそく、その他の慢性的肺障害、皮膚からは:湿疹、赤み、かゆみ、その他、出たり引っ込んだりしてなんだかわからない皮膚疾患、尿からは:慢性膀胱炎、夜尿症、膣カンジダ症など。
なぜなら、尿道にも細菌叢があり、また、ギャグ層という少し複雑な名前のものがあります。これは粘膜を守る粘液の層です。しかし、腸から吸収されて血流にのる毒素は、尿に交じって排出されます。この膀胱に集められた毒素が入ってくると、この粘膜を守る層が壊れて、尿をできるだけ早く排出しようとします。それでこの人は毒素のまじった尿を常に出すようになり、その粘膜も慢性的に損傷するようになり、この人は慢性膀胱炎になるのです。医者たちはどう治療してよいかわからないのです。急性膀胱炎は抗生剤を使いますが、慢性には抗生剤もステロイドも使えず、どうしてよいかわかりません。心身症とも言われて精神科に送られたりします。それが慢性膀胱炎になる道のりで、子供の場合は夜尿症です。また最近では夜尿の大人も増えています。普通恥ずかしくて誰にも言えないのです。何が起こるかというと、深い眠りに入ると、膀胱が集められた毒素を持ち続けることができなくなります。つまり、毒素があるために、持ち続けることで膀胱を損傷してしまうのです。そのとき目が覚めなければ、尿を出してしまいます。夜尿症は、GAPS栄養プロトコルを始めると、かなり早い段階で消失します。
また、毒素が粘膜を通して排出される場合、どの粘膜についても、通るとき、炎症が起き、副鼻腔炎、後鼻漏、鼻炎、歯肉炎、膣炎、下痢・便秘その他を引き起こします。
自己免疫も出てきます。全身的におきるので、免疫系も逃げられません。この人の自己免疫は、タンパク質とペプチド複合体が損傷した腸壁から吸収されることによって引き起こされます。自己免疫とはなんでしょう?体が自分の体の組織を攻撃するということです。分子模倣のためです。これはまずリューマチと連鎖球菌の研究から知られるようになりました。20世紀初頭のことですが、連鎖球菌に感染すると、その菌の粘膜の分子が、心臓弁膜のコラーゲン質の粘膜と似ていることから、免疫系がのどで連鎖球菌に抗体を持つと、同時に心臓弁膜を攻撃するようになります。そしてリューマチになります。これが分子模倣、交差反応です。
この地球上のものはすべて相互関連しています。私たちの体だけ孤立してはいないのです。私たちの体の器官は、バクテリアや、虫やライオンやネズミや・・・動物たちと多くが似ています。あなたの細胞が、あるタンパクを敵として認識したら、生涯、その認識が変わりません。その情報をT細胞の中に、生涯保持します。しかし、免疫系は、非常に複雑な器官で、まだ完全に研究が進んでいません。T細胞は多発性硬化症をおこし、ミエリンを壊しますし、また、1型糖尿病を起こしたりしますが、そういったT細胞を皆持っています。しかし、免疫系がよくバランスがとれていれば、そのようなことは起こりません。免疫系のバランスをとるのは腸内細菌叢です。それで、腸内細菌叢が異常となれば、免疫系もバランスを失い、食物、ウィルス、毒素など、何千というタンパク質の情報を覚えているT細胞が突然コントロールを失います。それで、突然多発性硬化症を発症します。T細胞がミエリンを攻撃するからです。自己免疫は腸内細菌叢からおきます。
免疫系が自己組織を攻撃する抗体をつくり、1型糖尿病では、すい臓細胞が攻撃されており、セリアック病では、小腸が攻撃されており、MS,自閉症、その他の神経的問題では、神経系が攻撃されており、しかも、攻撃を受けるのは一つの組織に限らないのです。同じような抗体が、自閉症、統合失調症、強迫神経症、そううつ病、の患者さんたちにみつかります。自己免疫の嵐が起きているのです。免疫系がバランスを失ったからです。
続けますと、自己免疫では、多発性硬化症、リューマチ性関節炎、1型糖尿病、セリアック病、骨関節炎、ろうそうなどがあります。また、あらゆる関節炎もそうです。自己免疫は深刻な病気です。それが深刻化する前に起こることは、腸壁から流れ出す多くの毒素がありますが、タンパク質のみではありません。たとえば、イースト菌の産生した毒素もあります。それが血流へ入ると、様々なタンパク質とくっつきます。それがコラーゲン分子のようになります。コラーゲンは、体をちゃんと形作るためのものです。コラーゲンがないと、体は地面に這いつくばります。コラーゲンのおかげでちゃんと立っていられるのです。そして、コラーゲン分子の破片が多くあります。毒素の多くは、コラーゲン分子に取りつくことが多いのです。取りつかれると、その三次元的な構造が変わります。そこに免疫系が来ると、「異物だ」と認識し、攻撃します。これも自己免疫のようなものです。完全な攻撃ではないにしても、関節などを痛めます。体が炎症をおこし、その部分を修復し、掃除して、毒素を取り除いても、しばらくたつと、他の関節が痛みます。そして、数日して治ったら、またしばらく後に他の関節が痛みます。これが移動性アルトロージャです(migratory artrogia と聞こえますが、辞書ひいても出てきません・・・訳注)。これらは腸壁からの毒素で引き起こされるのです。同じように移動性の症状がおこります。コラーゲンは、体中にあるからです。MEや繊維筋痛症, 慢性疲労、アレルギー、偏頭痛、その他の頭痛、慢性膀胱炎、皮膚疾患(乾癬、湿疹、など)もGAPSの症状です。
ぜんそく
肝臓が有毒物質に対処できないとなれば、次はすべてが肺にぶちあたります。不消化の食物、微生物などです。普通は、肺が対処するのはガス関連です。ガスに代わる物質は、ガスにして肺は排出します。粘膜毛様体エスカレーターというものがあり、小さな細胞で上部に毛があり、上を向いています。それで、肺表面のマクロファージが有害な細菌や毒素をのみこみ、肺の内腔に送り、上へ上へと送り、吐き出させます。
しかし、毒素負荷が大きい場合、あるいは、肺についた毒素が非通常なものである場合があります。肝臓が対応しているはずなので肺で対応するようなものでないものです。そこで、気管支のある部分を損傷します。その損傷を修理するため、入り口と出口をふさぎます。気管支を高速道路だと思ってください。高速道路上で事故があれば、舗装道路が損傷したら、大型タンクローリが壊れて置き去りにされていたりしたら、それを修復するためにその区間の入り口と出口をふさぎ道路を閉鎖しなければなりません。そこに機械を入れて取り除き、舗装作業ができます。
このように、肺が気管支痙攣でやろうとしていることがあります。気管支痙攣がはじまると、ぜいぜい音がはじまります。呼吸が難しくなり、かなり恐ろしく思うでしょう。それが起こるのが大体子供が1歳から2歳のときです。親は恐くなり、医者に行きます。
医者は、「ぜんそくだ」と言い、薬をのませて、気管支の出入り口を開きます。高速道路の事故で出入り口を閉鎖しない場合、どうなりますか?早く修復しろと言われても、多くの車が高速で行き来しているのです。修復ができますか?できません。建設業者も手を付けられず、さらに、その上を多くの大型車が通るので損傷は大きくなります。次第にその損傷が人命にかかわるようになります。これについては、後で説明します。
ぜんそくは昔は軽い症状でした。第二次世界大戦前までの文書を読むと、ぜんそくは軽い病気でした。医者はぜんそくでの死は見たことがありませんでした。それは軽い病気で、最初の喘鳴がでたら、医者は親に温かいものを飲ませるように、起き上がった姿勢でいればよいと言いました。ほんの10~15分で道路の修復が終わりました。現代ではどうでしょう?処方された薬で、最初の喘鳴で気管支の出入り口を開けたため、気管支の修復が行われず、損傷はさらに深くすすみます。薬のためにぜんそくは死を招く病になりました。英国で6分に一人の割合で子供がぜんそくの発作でかつぎこまれています。昔は非常に軽い症状でした。死に至る食物アレルギーは、ぜんそくの「完全な制御下」でおこる、というのが、科学者たちの見解です。
2.3.11
肝臓への打撃
腸壁が損傷しているとどうなるのでしょうか?
腸壁が有益細菌に守られておらず、また、病原体微生物に毒素攻撃されているため、その統合性が退化しています。腸細胞が退化し、きつい接着面が開いて、部分消化の食物を通してしまい、それが食物アレルギーや、食物不耐性をおこし、損傷した腸は毒素や微生物を血流へながし、体全体に毒素がまわり、免疫系は自己免疫を増します。
では、脂溶性栄養・毒素の通る道はどうでしょうか?それは脂肪の小塊として吸収されますが、直接血流へ行かず、リンパへ行きます。リンパは集めた脂質をリンパ管を通して直接右の心臓へ運びます。肝臓は通りません。それで、脂溶性栄養素・毒素を解毒する第一の臓器は肺です。それで、肺は、脂溶性の毒素が最初にあたる部分です。
それでは、肝臓で何が起こるかについてみていきます。GAPS症状のある人の場合です。腸から腸壁を通して毒素が川のように血流へと流れ出します。毒素、不消化の食物、微生物などが第一の港である肝臓へと行きます。肝臓はもちろん、それほど多くのものに対処できません。それだけのものを処理するようにできていません。それで、腸がダメージを受けたら、かなり早い段階で肝臓はブロックされます。肝臓で交通渋滞です。あらゆる種類の毒素が次々に入ってきて対処できないのです。これも、あれも、流れてくる、対処できない、それで、たくさんの物質が対処できず、対処できないまま肝臓を通っていかざるを得ません。環境からの毒素には、重金属、フェノール、ペトロケミカル、接着剤、農業関連の農薬、パーソナルケア製品、洗剤、可逆剤などなどがありますが、これらのものは、皮膚から入ります。皮膚にモイスチャライジングクリームを塗り、デオドラント、染髪、マスカラ、シャンプー、リンス・・・これら化学製品で、皮膚や頭皮や口などに使うものは、化学物質が入っていて、それが数秒以内には血流に入ります。最初の港はやはり肝臓です。肝臓は腸からの毒素のみならず、そういった環境からの毒素も対処しなければなりません。
人生ずっと沢山の化粧品を使ってきた人でも、腸内細菌叢が損傷した途端、もうマスカラは使えなくなります。突然マスカラにアレルギーとなるのです。それか、その他のものに。
また、体自身の代謝も対処できなくなります。神経伝達物質というものがあります。これは、脳神経同士の伝達の際に必要なのですが、その多くの役割を果たし終えれば、肝臓へ送られ、分解され、リサイクルされます。しかし、肝臓がブロックされてしまうと、それが未分解なまま、体のあちこちで見つかります。それがたくさんある人、少しある人があり、分子形成が変わってしまった物質などもあります。もちろん、これが神経系に問題を起こします。精神異常、神経の異常、心理的問題、そういったあらゆる問題となります。このように、腸が病むと、肝臓機能が病みます。つまり、腸内細菌叢が異常だと、肝臓もブロックされているということです。≫つづく
1.3.11
腸細胞のはたらき
絨毛の図
こちらが絨毛の図です。この長い指が絨毛です。これを覆っているのが腸細胞です。この細胞が消化を完成させます。食べ物の成分の分解をし、吸収します。この腸細胞は隣同士、互いに固く接着しあっています。非常にきつく接着しています。そこではゾヌリンという特別なタンパク質がノリのようになり、完全に密着しています。栄養素が腸の裏地を通る唯一の道は、腸細胞に取り込まれて、調べられ、消化分解され、もう一方に通していき血流へと行く方法です。しかし、GAPS患者さんの場合、このきついはずの接着面がはずれています。細菌や微生物がこのゾヌリンを溶かす毒素を出して、接着をはずすのです。そしてきつい接着がほどけ、多くのものが腸壁を通ってしまう、それが腸漏れ(リーキーガット)です。 (参考:日本語の「腸漏れ」ではインターネットサーチしてもさほどかかってきませんが、英語でleaky gut をサーチすると、多くのサイトや画像が検索できますので、お試しください。)
腸細胞の図 (右図)
腸細胞の拡大図 (左図)
たしかに、消化系の調子が悪い人々は多くいます。しかし中には、深刻な異常のある人もいて、クリニックに来て第一声が自閉症のことではなく、消化異常について話し始めるのです。また、少数ですが、消化系の問題を感じたことはないという人もいます。便は大丈夫ですし、ゲップもしないし、腹痛もない、と。なぜなら、消化系は補われているのです。しかし、食事療法にのせると、学習、行動、その他多くの症状がなくなっていくのです。つまり、その人にとっても消化系の異常があったという証拠です。たとえ、その人が深刻な消化異常に苦しんでいなかったとしても、です。これは軽度の障害の場合によくあります。軽度の識字障害や運動障害です。何の問題もないと思っている人々を食事療法にのせるのは難しいのですが、いったん乗せると、様々な関連していた症状がなくなっていきます。