27.1.11

コレステロールの重要性

サリー・ファロンのスピーチ (@ワイズ・トラディションズ UK会議 2010年) (使用している写真は必ずしも当レクチャーで使用されたものと同じではありません) Sally fallon 1-4

栄養の伝統(4)
動物性食品からくる栄養素

次のような多くの栄養素は動物性食品だけに見られます。


ビタミンA,Dは、動物性脂肪に多く含まれます。これについては、あとで詳しく述べます。


コレステロールは、体に悪いと言われますが、実際は子供の成長に必要な栄養素です。子供は脳と第二の脳の形成に十分なコレステロールを作ることができないのです。第二の脳とは、ナターシャが話しますが、腸です。腸は脳と同じぐらいの神経細胞が多い組織です。このどちらもコレステロール豊富な臓器で、この適切な形成と働きのためには多くのコレステロールを必要とします。


それで、赤ちゃんの食べ物、妊娠中の女性の食べ物は、コレステロール豊富でなければなりません。B12も、動物性食品からしかとれません。ある特定の脂肪、EPA,DHA、AA(アラキドン酸)は、脳機能に非常に重要です。これも、動物性食品からのみ取り入れられます。


植物性食品からも多くの栄養はとれますが、動物性食品からの方が取り入れやすくなっています。カルシウム源は伝統的には二つしかありませんでした。一つは、生の乳製品、もう一つは、魚の骨です。乳をあまりとらなかった食文化においては、魚の骨のスープです。アメリカの先住民やその他の文化では、水よりも魚のスープをよく飲みました。水を飲むのはよくないとされたからです。

アジアを考えると、典型的な食事では魚でだしをとり、一日を出発します。このようにカルシウム豊富な食物に重点が置かれていました。

B6,マグネシウム、鉄、亜鉛、銅はすべて動物性食物でより多く入手可能です。亜鉛は、植物から集めることは不可能です。植物では、これらのミネラルはキレートされており、分子のような形になっています。それで、体は多くの酵素を使って、これらのミネラルを遊離させねばなりません。それらは動物性食品の方がずっと入手可能な形になっています。


B12は、動物性食品のみからとれる非常に重要な栄養素です。この不足があると、初期には、疲労感、手や足の刺痛、睡眠障害、不合理な怒りが現れます。いつも誰かが止めに入らなければならないなどのことがある場合は、B12をよく考えてください。この不足がさらに進むと、症状も深刻化します。精神障害、うつ病、脅迫神経、躁うつ病、アルツハイマー病、かなり多くの症例でアルツハイマーがB12欠乏症に関係があることが示されてきています。また、その他の身体的病気、多発性硬化症、心臓病などにも発展します。



この会場に、ベジタリアンの方はいらっしゃいますか?はっきり申し上げておきますが、毎日ステーキを食べようと言っているのではありません。この食事法は、肉をいっぱい食べようという内容ではありません。肉よりも動物性脂肪を多くとりましょう。亜鉛不足の方についてはよく赤身の肉を食べなければなりません。ただ、肉を食べていないことが、道徳的により崇高とは言えません。私たちの身の回りは、と殺された動物たちからとったものに囲まれています。ワックス、化粧品、せっけん、プラスティック、現代建築資材、などは牛からとっています。飛行機に使われる水素付加されたブレーキ液、電話の部品に使われる膜、などはビーフのゼラチンから作られます。これらすべてのものは、と殺された、殺された動物から来ています。



過去にはもっと多くのものを動物に頼っていました。今日では肉のみならず、皮革、毛皮、骨を使った道具、これは物質世界に住むうえで自然な成り行きです。生物世界では、すべてがほかの何かを食べています。私たち人間が死ねば、虫の餌になります。これが物質世界のリサイクルの常です。



ベジタリアンの起源


それではここで、現代流行中の低脂肪・高繊維のベジタリアン運動の原点についてお話しましょう。


アメリカでは、米国ベジタリアンソサイエティがシルベスタ・グラハムによって創設されました。彼は穀物をまるごと食べる、ホールグレイン・ベジタリアン食を唱えました。その理由は、道徳的なものからで、純潔と、肉欲の抑制のためでした。彼の説教では、過剰な性欲は病気の原因であるとするなど、あまりいい人ではありませんでした。男の子は固いベッドに寝るべきで、母親が一緒に寝たり、ハグしたりすると、性感情を呼び起こすので、よくないと言い、性欲が現れた青年たちに対する徹底的な解決法などを作りました。


彼の後継者はジョン・ハービー・ケロッグで、高繊維ベジタリアン食を提唱し、二大悪として、便秘と自然の性欲をあげ、既婚での性行為を否定しました。この人たちは完全に狂人の部類です。その後性革命がおこり、現在では、自然の欲求を抑制すると、精神的な異常をきたすと言われています。それで、この性の抑制の部分はなくなったのですが、食事法のみが残り、依然として国家政策の一つです。自然の欲望を抑制すると起こるのが拒食症です。このような食事法を、私は、ピューリタン的食物と呼びますが、この食事法に長い間とどまることはできず、人々はポルノ的なものをとって食べるようになります。これが古き良きホールサムな食物です。(51:14) つづく